活動アルバム


2005年 4月23日 第36回チャリティ公演

 2005年4月23日、江東区・深川江戸資料館「小劇場」において、第36回(2005年度春季)チャリティ公演を開催しました。当日は朝からとても気持ちのいいお天気にも恵まれ、出演者17名、スタッフ37名を含む210名もの参加によって「こうばこ」の歴史の1ページを彩るステージを作り上げることができました。ありがとうございました。

 深川といえば「深川飯」。いえいえ、ここは食いしん坊のお話の場所ではありませんでした。一昨年の公演ですっかりこの場所が気に入った私たち。今回も下町の情緒溢れる空間で、しばしの間、言葉の世界をゆったりただよい、その味をじっくりと堪能していただこうと、4つの演目を上演させていただきました。

 まず最初の演目は、今回が初登場となった たらこスペシャル による「春 茶屋の窓辺にて候」。カンパニー名からはなんとなくパスタのメニューを想像しますが、どうしてどうして、お話の内容は純和風。20分という上演時間では物足りなかったとの声も聞かれたほど、それぞれの役者が普段とは一味も二味も違う役を演じきりました。おゆきの色っぽさにうっとりしたり、きぬきぬのシリアスな一面にビックリ仰天されたお客様も多かったのではないでしょうか。

 続いてはベテラン・かわい いねこが二人の新人を率いての動物山新店舗。おなじみ宮沢賢治の「蛙のゴム靴」をシュールに演じました。赤塚真由子の明るく突き抜けるようなナレーションに、美舞希のかわいらしいナレーション、そして、なんといっても圧巻だったのはかわいの七色の声を使い分けてのカエルたちの会話でした。私など、よくも、どれがどれやら分らなくならないものだと関心しきりでした。

 続いてはお馴染み座付き作家・那登里潤の書き下ろし「光溢れる午後に」。LLカンパニーが新人・深津加代子を加え、暖かな"光"を舞台いっぱいに表現しました。中途失明した若い女性という難しい役柄をナチュラルに演じきった深津には、同じ境遇にある自分と重ね合わせ思わず涙したとのアンケートもいただきました。

 そして、休憩をはさんでいよいよ最後の演目となったのは、しっとりとした語りの世界を追及し続ける、たまゆらによる山本周五郎 作「合歓の木の蔭」。絹田の表現する危うい女心に、ときに怪しく、ときに優しく寄り添う男たちを演じたのが、最年少の工藤健一郎。座員それぞれに稽古は苦難の連続だったと聞いていますが、本番では、5人の役者のぴったりと息のあった演技で、1時間という長さを感じさせることのない舞台を作り上げることができたのではないでしょうか。

 これらの演目の合間で、たくさんの笑いをとっていた司会のきっちゃんの存在も決して忘れてはならない彩りの一つとなっていたこともしっかりと記しておかなければなりません。

 本番当日を迎えるまでの準備を担当するのがプロデューサーであるなら、その当日の一切を仕切るのが舞台監督の役目です。その意味で2人は表裏一体、2人は1人と言っても過言ではありません。今回、公私共に忙しい中、私と心を合わせてくれた舞台監督・ななちゃんには本当に感謝してもしきれない思いです。また、ときにおろおろ・おたおたする私を励まし、打てば響くというタイミングで支えてくれた多くの仲間がいたからこそ迎えられた本番でもありました。本当に本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、客席から、またはいずれかの場所から、暖かい拍手をおくってくださったお一人おひとりに最高級の感謝の気持ちを込めて、私の大好きな言葉「ありがとう」を叫ばせてください。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

(プロデューサー: 妙蓮寺 紫)


2004年11月20 第35回チャリティ公演

 2004年11月20日、横浜ラポールにて、第35回チャリティ公演が開催されました。秋のイベントシーズン真っ最中でしたが、多くのお客様にお越しいただきました。

 今回最初の演目はLLカンパニーの「ひめゆりの塔」。1ヶ月前の事前発表会後に新たに場面が加わり、また、スモークマシンのタイミングや照明など、直前までより良い方法が模索されていましたが、本番はメンバーの平和に対する想いがひしひしと伝わってくるいい舞台になりました。
 続いて、えにし組の「月と猫」。座長あかつきえにしさんの猫の気持ちを語ったストーリーと今回初舞台の山崎みふゆさんの月の詩とのコラボレーション。背景に映し出された幻想的な猫の絵とあいまって素敵な一つの世界が作り上げられました。
 そして、今回のとりは動物山本舗の「クリスマスのぶたぶた」矢崎存美さんのファンタジー「ぶたぶたシリーズ」から二つの話をピックアップし、美月さんが脚色した作品で、期待の新人である工藤君がぬいぐるみのぶた(しかも中年)という難しい役どころを見事に演じました。前半のお話は二人の酔っ払いOLとぶたぶたの、とても楽しいストーリーで、小さなお子様にも大好評でした。後半は、対照的にしっとりとした静かなお話でした。竹内さんが観客を引き付ける素晴らしいナレーションで締めてくれました。
 会場内では新たな試みとして、聴覚障害のあるお客様に対しパソコン(パワーポイント)を使っての舞台ガイドもありました。

 今回は諸事情からスタッフが不足して運営が心配されましたが、自身の公演を控え忙しい中、数多く稽古を見てくれた舞台監督の奥富さんをはじめ、歌も披露してくれた司会の赤塚さん、受付の央ちゃん、今回も徹夜で当日を迎えた大久保さん等々、皆さんのおかげで何とか公演を終える事が出来ました。公演は多くの方の力の結集で出来ていることを実感しました。とてもいい経験をさせて頂きました。

 最後になりましたが、新潟県中越地震義捐金に多くの方のご協力を頂きました。総額42,100円を小千谷市にお送りしました。本当にありがとうございました。

(公演プロデューサー 大川 和彦)


2004年4月10日 第34回チャリティ公演

☆2004年春 町屋公演報告 「それぞれが力を発揮した第34回公演」

 2004年4月10日に行われたこうばこの会第34回春季チャリティ公演は、出演者・スタッフ全員がそれぞれに持てる力を磨き、競い、一致協力してやり遂げた公演となりました。

 私は公演プロデューサーとして、こうばこのメンバーそれぞれがやりたいこと、実現したいことを叶えられるような環境作りをすることを目的として行動しました。
 それがうまくいったかどうかはわかりませんが、結果としてたくさんの観客の皆様に楽しんでいただけたこと、また、出演者・スタッフも小ホールならではの客席との一体感を味わいながら、思う存分それぞれの力・魅力を発揮できたことは、今後の活動へのよい糧になったと思います。
 今後の課題もたくさんありますが、それぞれが自分の役割を考え、判断・行動し、楽しみ、そして観客の皆様にも楽しんでいただく!という充実した過程を経験したことは、チャリティ公演という枠を超えて、人と人が生きる上で大切な「ゆるやかなつながり」を経験する機会でもあったことと思います。

 ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。本公演の純益は「ベトナムの子供の家を支える会」に寄付させていただきます。
 今後とも、こうばこの会へのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(町屋公演プロデューサー 鈴木 美香)


2003年10月13日第33回チャリティ公演リポート

☆2003年秋 深川公演報告 「江戸下町に咲いた人の想い・動物の想い」

 昨年10月13日、お江戸の下町江東区にある深川江戸資料館で、2003年こうばこの会秋季チャリティ公演を開催しました。「人情厚い下町には、ハートに訴えかけるアプローチを!」と言うことで、事務局大久保さんにも大いに支えられながら、区内のボランティアグループを中心に直接お目にかかってチラシをお渡しするという方法で宣伝して歩きました。その結果、またまた多くのみなさんにご来場いただき、公演を大成功のうちにおさめることができました。

 明るく弾むような奥富栄理さんの司会のもとに進んでいったプログラムはこんな感じでした。たまゆらの、藤沢修平作「十三夜」。座長柘植美野和さんの人を惹き付けてやまない語りの魅力とおせっかいで嫌味な女と親身に世話を焼いてくれる女の見事な演じ分け、絹田莢香さんの少し幼さを残しつつもいまや女盛りといった風情の色香を漂わせた若妻に、爽やかでイナセなその夫役の那登里潤さんが彩りを添えての見事な語り劇でした。

 拙作(つまり美月が書いた物)の朗読劇「かわいいねこと呼ばれたい」を、元の作品の出来を10倍くらいに膨らませてくれたのは、動物山本舗。座長かわいいねこさんは本番に強い人で、稽古のときの5倍増しのかわいらしい猫ちゃんになっていたし、ちょっと苦しかった青年役を切り抜けた御影ありすさんはかわいい子猫ツモちゃんで魅力全開!実力派多田香織さんは、実はちょっとした悩みを持っているインテリ猫を猫らしいユーモラスさも見事に混ぜ込んで好演し、またご本人の一つの特徴であるシャープさを押さえ込んで、正反対の性格の娘を
愛らしく演じてくれました。

 宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」を独自の味付けで楽しい朗読劇に仕上げたのは、あらゆるジャンルに挑戦するHOGEHOGEクラブ。
 登場する二人の若い紳士を、原作にないキャラクター設定、すなわち座長モンジャクリームさんのちょっと弱気で生真面目な青年と大川和彦さんの傲岸不遜な青年という風に分けていったのは、朗読劇としての特性を生かした手法で、とても楽しめました。また、澤みさきさんと西則子さんが、下っ端の山猫を少年風に演じていたのも作品に明るさを加えていて素敵でした。
 残念なのは、爽やかな語り口で物語の世界へいざなってくれたナレーションの徳弘靖亮君が、公演直後に遠くへ転勤してしまったことです。
 また帰ってきてほしいなぁ!

 休憩を挟んで「ベトナムの子供の家を支える会」の方からご挨拶いただき、後半の演目へと進みました。後半2作品は、全く違うタイプの物でしたが、いずれも我がこうばこの会を代表する座付き作者で、役者としても活躍中の那登里潤さんの作品でした。

 LLカンパニーの3人娘は、「Another My Life」という短いけれど心の奥にずしりと感じる作品を語り劇として聞かせてくれました。
 移植コーディネーターの女性の心の動きを細やかに表現したのは座長ショコラモナカさん。彼女を訪ねてきた腎臓移植後2年を経過した女性の役で、自分の身に起きた心の変化を明るく、しかし深い感慨を込めて語っていくちびころたろうさんも素晴らしかったし、実は彼女のドナーとなっていたコーディネーターの妹役で、明るさとひたむきな想いを見事に表現した
 遠野千夏さんの演技も多くの観客の胸を打ちました。

 公演ラストを飾ったのは、江戸下町を舞台にした超ドタバタコメディ「末松屋おかね、かく語りき」。私の大好きな那登里コメディの真骨頂です!! 
 たまに人間をやってると思ったら、やっぱりタダモノではなかった主役の飛び切り変な娘おかねさんの妙蓮寺紫さん。この話の悪の総元締め的なものすごい女おたまちゃんは、泣く子も笑う大声のミセス・リーチさん。真面目さゆえに可笑しさを守り立てたおうめちゃんの あかつきえにしさん。彼らにカモにされる第一号のお客、もとい、信者セイベエさんはスカーンと胸に飛び込む明るい声のきぬきぬさん。ラストで一人関西のノリで盛り上げる役人さんの武田隊長。その場面を声だけでものすごい存在感でリードしていた那登里潤さんはさすが!!
 明るい中にちょいと色気のあるナレーションは元々演劇畑出身の新人のななちゃん。そして特筆すべきは、作者におもちゃにされまくっての楽しいダメ亭主を演じた早乙女光さん! 彼、どうしてこんなに面白いのでしょう!!
 圧巻は、全員が歌い踊る「霊峰要石」のナンバー!!
 観た人たちはみな、10日間ほど頭の中を駆け巡っていたに違いありません。
 本当にお腹の底から大笑いできる作品でした!!

 楽しい気持ちで終えることのできたこの公演、今回もやはり多くの皆様の協力があったればこそ実現したわけです。
 最後にこの紙面をお借りして、心からお礼申し上げます。
 みなさん、どうもありがとうございました!! めえたんでした。

(深川公演プロデューサー 美月 めぐみ)


2003年春 「ゆめりあ公演」レポート

 去る5月4日、練馬区の大泉学園ゆめりあホールにおいて、こうばこの会2003年度春季チャリティ公演が開催されました。当日はゴールデンウィークの最中にも関わらず、100人を超えるお客様にご来場いただき大成功のうちに幕をとじることができました。
 皆さん本当にありがとうございました。ここに改めて感謝の気持ちを込めてご報告をさせていただきます。

 今回の公演場所に選ばれた練馬区。そこには実はずいぶんと多くのこうばこメンバーが暮らしているのです。そのわりにはなぜか今まで一度も公演をする機会のなかった地でもありました。そこに、丁度、まるで私たちのために作られたようなすてきなホールがオープンしたとの情報がもたらされ、これはそこにするしかないとの強い気持ちが湧き上がり実現の運びとなりました。

 当日ご参加いただいた方はご存知の通り、ゆめりあホールは客席にも舞台にも木のぬくもりがいっぱいに感じられるホール。そこで、その空間に相応しい公演にしようと、こうばこの原点でもある「語り」に重きを置いた演目をずらりと揃え、さらに、初めての試みにも挑戦しました。

 まず、最初の演目「星の王子様」では、LLカンパニーが美しいメロディーに載せてこれまた美しい物語を語りました。長いストーリーの中からメンバーそれぞれが気に入ったシーンを抜き出して朗読する手法に、その場面に合わせたスライド映像がプラスされ、一つの空間を作り上げました。

 続いてはこれまでにもしっとりとした文芸作品を聞かせてくれていた動物山本舗による「天女の羽衣」。この演目では、静岡地方のお国なまりもまじえて、少しユーモラスに語るこむぎねんどやきっちゃんと、はかなげなかわいいねこのコントラストでたっぷりと聞かせてくれました。

 また、続く、謡曲「羽衣」というやや馴染みにくい演目への導入ともなって、お客様にはお配りした上演台本と合わせて、理解の助けとしていただけたのではないかと思います。余談ですが、当日の客席では一斉にぱらっと台本の頁をめくる音が響き、まるで国語の授業中のような雰囲気がただよっていました。

 休憩をはさんで登場したのは、地元の有名人?でもある美月めぐみ。
 久々の「ななんちゃんシリーズ」を引っさげての一人語りです。このシリーズも早いもので第6弾となりました。新聞勧誘員まで巻き込んでの大騒ぎ。今回も「力業」で会場を笑いのうずに巻き込んでくれました。

 そしていよいよ最後の演目。今公演の超目玉、たまゆらによる太宰治作「葉桜と魔笛」。40分近い演目を全て暗記しての熱演ぶりは、まさに丁寧な練習の積み重ねから生まれた「秀作」というべきものでした。今回が初出演とは思えないようなたまゆらの演技に、しばし拍手をすることさえ忘れて酔いしれたお客様も多かったことと思います。

 全ての演目が滞りなく終了した後は、恒例の出演者全員でのご挨拶。代表としてマイクを握った大久保事務局長が、思わず感極まって言葉に詰まるというシーンもあってか、いつにも増して大きな拍手お受けて幕が下ろされたような気がしたのは私だけではなかったはずです。皆さん本当に本当にありがとうございました。
 秋の公演では、今度は舞台の上から皆さんへの感謝の気持ちをいっぱいに表せるようにがんばろうと練習に励む日々です。

(2003年春季チャリティ公演プロデューサー 斉藤恵子)


「第31回チャリティー公演」のご報告

2002年10月12日に大田区民ホールアプリコにて「第31回2002年秋季チャリティ公演」が開催されました。31回公演は3つのカンパニーがそれぞれの個性を活かして熱演しました。

最初の演目はバイオレッツの「一枚の写真」。この作品は加納朋子さんの小説をバイオレッツ座長の妙蓮寺紫が脚本したもので、主人公19歳の駒子と小説家綾乃との手紙のやりとりで綴る、心温まるストーリー。誰もが味わったであろう、大人になることへの不安やとまどいを爽やかに思い出させてくれた作品でした。

続いての演目は初座長絹田莢香率いるスプラッシュの「ハニーポットと県庁所在地」。こうばこの実力脚本家、那登里潤書き下ろしのナンセンスコメディーです。会場はテンポの良さに惹き込まれ、お客様の笑いであふれました。役者陣はいつもと違うコミカルな演技で表現の幅を広げました。

最後の演目は美月めぐみ率いるビューティームーンの「クリスマスプレゼント」。こうばこではおなじみのSF作家、天童翼さんのSF作品を、座長美月めぐみがアレンジ、挿入歌もふんだんにとり入れミュージカル仕立ての作品に仕上げました。未来の地球は汚染され、ロボットが子守りをする時代。そんな時代でも、やはり大切なのは人と人とのつながりであると再認識させてくれた作品でした。
オリジナルエンディング曲「ゆめおいびと」では青い地球を取り戻したいと夢をあきらめずに生きる気持ちを出演者が歌い上げました。

今回の公演で、舞台というのは、ご来場いただいたお客様の暖かい拍手、出演者の力強い演技、スタッフの協力、どれ一つ、誰一人かけても成り立たないものだなとしみじみと感じました。秋季公演に関わったすべての方々に遅れ馳せながらお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

また、最後になりましたが、今回ご協賛いただきました潟潟Nルート様、ご支援ありがとうございました。

次回公演に向けて各カンパニーそれぞれ役作りに励んでおります。
是非是非私達の舞台を見に来て下さい!そして一緒に感動を分かち合いませんか?
◆次回公演:5月4日(日)練馬区・大泉学園ゆめりあホールにて

(31回公演プロデューサー 小林千恵)


「第30回記念チャリティー公演」のご報告

 2002年4月13日(土)に荒川区の「ムーブホール」にて開催いたしました公演には、236名という記録的な数のお客様をお迎えすることができました。日本点字図書館をはじめ各社会福祉協議会の方々などの暖かいご支援のお陰です。改めて御礼申し上げます。また、これからも末永くお付き合いいただければ嬉しく思います。

 ここで、このホームページをご覧いただいている皆さんのために、ほんの少し舞台裏や当日の様子をご紹介したいと思います。
 開場時間は午後5時30分ですが、出演者・スタッフの1日は朝から始まります。午前10時過ぎには18人の出演者と27人のスタッフが客席に集合。それぞれ声を出しながら日程などを確認した後、発声練習、場当たり(舞台上に設置する椅子や机の位置決め、役者の立ち位置の決定など)、通しのリハーサルと続きます。まさに時間との勝負です。いくら万端に準備を整えたつもりでも当日にならないと分からない部分もあるのでいつもはらはらどきどき、ばたばたの舞台裏
が展開されます。

 そして迎えた会場時間。今回は皆が力を合わせて宣伝に励んだこともあって、雨の心配される天気にもかかわらず、続々とお客様が集まって来て下さいました。300近くある座席がどんどん埋まって行く様子を見て、本当に嬉しく思うと同時にますます良い舞台を上演して楽しんでいただかなければとの思いが強くなりました。

 まず、「蜘蛛の糸」では、アジアの民族音楽やチベット仏教のBGMと二人の役者の表現力によって、極楽と地獄の場面を作り上げました。

 次に「もう逢えないけど」。今回唯一、動きのある演劇的要素を持った演目であり、出演者の人数も多いことなどから練習は苦労の連続でした。けれど、当日は一人ひとりが自分の役をしっかり演じ、昭和20年3月という重く暗い時代にあっても、ユーモアのセンスを忘れることなく、強く優しくたくましく生きている一つの家族の姿を伝えることができたのではないかと思います。

 そして、なんといっても実力派のビユーティームーンによる「近日祭」。30回公演への思いを込めて、座長の美月めぐみが脚本・演出・作詞・作曲を手がけました。SF小説と宝塚をこよなく愛する座長ならではのストーリーを、効果音を取り混ぜながら生き生きと朗読しました。
 独裁王の暴挙に苦しめられ続けていた民衆が、王妃と監守の勇気ある行動によって救われたラストシーンでは、出演者全員がオリジナル曲を合唱しました。

 また、今回も飯塚小学校のボランティアクラブとその卒業生の皆さんがたくさん友情出演してくれました。子どもたちの披露する素直な詩のパフォーマンスは、安らぎのひと時を演出してくれました。

 長くなってしまいましたが、この報告を読んでいただいた方が次の公演に足を運んでいただけたら、これ以上の喜びはありません。どうか私たちの応援を宜しくお願いいたします。

 次回・2002年秋季チャリティー公演は、10月12日(土)午後6時から 大田区・蒲田のアプリコ小ホールで行います。
また、来年5月4日(日)には練馬区・大泉学園ゆめりあホールでの公演を予定しております。

(30回公演プロデューサー 斉藤恵子)


2002/02/10 更新

「こうばこの会 秋季チャリティ公演」のご報告

ごあいさつ

 10月14日に太田区民プラザで行われた「秋季チャリティ公演」は、キャスト20名、スタッフ23名、ご来場の方々120名以上による大盛況のイベントとなりました。
 動物山本舗の「今昔物語」は、味わい深い物語を黒装束の6人の語り部がぴったり息を合わせて群読し、尺八と琴が幽玄の趣を高めました。
 高田チェッカーズのさわやかなアメリカンテイスト溢れるお芝居「キャッシー」は、12人の出演者それぞれが陽気でユニークな役作りをして、ホームタウンに対する愛着と友情を熱演しました。

 ご来場下さった皆様、ご協賛下さったトヨタ自動車(株)様、(株)リクルート様、ご支援ありがとうございました。 キャスト、スタッフの皆様、お疲れ様でした。

「キャッシー」の舞台裏から

 キャッシーはアメリカの片田舎を舞台にした笑いあり、涙ありのお話です。架空の町、ミザリータウンの小さなテレビ局に勤めるキャサリン・ベーカーと、それを取り巻く仲間達の物語です。
 話の舞台は、テレビ局の向かいにあるボブの店を中心に、そこに出入りする愉快な仲間達の人生模様を織り交ぜて、キャッシーが今のテレビ局の仕事を続けて行こうと決断するまでを描いています。
 ボーイフレンド、スティーブからのテレビ局引き抜きの話、親友であり同僚であるクリスとの関係、叔父さんの借金のかたに取られそうになるボブの店、信念を持ち代理母を続けるシンディー、などなど、話は2転3転します。
 私は音響を担当しましたが、アメリカがイメージできることを年頭におきました。ブリッジ(場面間に挿入する音や音楽)を使わず、ボブの店のBGMで話を盛り上げる様に心がけました。本番、ちょっとミスしましたが、気付かなかったことを祈っておりました。これからもトークパフォーマンスを盛り上げる音響を目指して行きたいと思っています。
(鈴木健生)


トップページに戻る